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    Lucanus cervus judaicus Planet,1902
    和名:ユダイクスミヤマクワガタ
    大きく羽化させるべき種類です。
    ヨーロッパミヤマ、アクベシアヌスミヤマ、ユダイクスミヤマ
    これら3種類の♂が仮に70mm前後で羽化した場合
    断然カッコいいのは、ヨーロッパミヤマです。
    アクベシアヌスとユダイクスの70mmは
    ヨーロッパミヤマに比べて顎が細く、頭幅の迫力もありません。
    過日、不意に気付いた事があります。
    明らかに顎が細い個体もいます。採取地の違いなのか不明です?
    サイズは上の写真の♂とほぼ同じ、でも顎が細い♂ これ→

    産卵について
    卵はあまり沢山産まない傾向であると思います。
    ヨーロッパミヤマでは♀1匹で50~80個産卵しますが
    本種では30頭前後で止ります。私が下手なのかな?
    初めて飼育したときは♂1匹と♀3匹でブリードしました。
    産卵セットを定期的に調べて卵を取出しました。

    ♀3匹のうち、1匹の産卵状況は以下の結果になりました。
    7/127/197/247/277/308/38/68/189/109/26
    0★計27個
    ※ 9/10フセツぼろぼろ
    ★ 他界

    今思えば、まめに調べたなぁ・・・と関心します。
    この♀は27個産卵してくれましたが、無事に孵化したのは16個でした。
    温度影響もありますが卵は3週間~1ヶ月程で孵化するように思います。

    3匹の♀を、♀①~♀③と仮称して、産卵数と孵化数を下表にまとめました。
    産卵数孵化数
    ♀①49mm27個16個
    ♀②42mm21個3個
    ♀③49mm14個5個
    この表で、産卵数-孵化数は、腐敗卵 又は 未孵化卵の数に相当します。
    差し引きの大半は腐敗卵です。恥ずかしい結果です。

    卵は清潔に管理していたのですが、なぜ孵化しないか、原因は不明です。
    卵で取り出さないほうが良いのか?なんとも言えません・・・。
    なぜなら、本種に限らず、取り出した卵が殆ど腐敗しないときもあれば、
    直ぐに腐敗するときもあります。
    ミヤマクワガタはマット産みが基本で
    卵の周囲をマットで保護するように産むため、
    容器側面から卵が見えることは、まずありません。
    そのため、失敗を予測する事ができません。
    幼虫が見えるまで放置すれば手間要らずで楽ですが、
    結果が判るまで1~2ヶ月はかかります。
    後食をはじめると寿命が限られており2~3ヶ月程度で他界するため
    待っていると手遅れになります。必ず繁殖させたい時は
    気になればマットを調べて、産卵していなければ
    ♂ともう一度交尾させるか、または条件を変えるか
    検討の余地が必要だと思います。
    ※ あくまでも1つの方針です。

    幼虫飼育
    孵化した幼虫は初め120cc程度のカップで飼育して
    その後、適度な間隔でマット交換を繰返し、
    850cc、1500cc、♂のみ3000ccと
    成長の度合いに応じて容器サイズを変えました。

    羽化
    羽化は1年1化と2年1化で2分裂しました。
    1年で羽化した♂は、ほんと、しょぼかった記憶があります。
    2年1化では ♂81、82、86mm・・・
           ♀は45~52mmでした。

    以上、最初に飼育したときはこんな感じでした。
    あまり参考になるデータでなく申し訳ないです。

    ■ 補 足 ------------------------------------
    ミヤマ幼虫の飼育方法において、一番大切なのは
    どのようなタイミングで交換するかだと思います。
    ▽▼▽▼▽▼
    90mmUPのケルブスを羽化させている方から聞いた方法では
    ミヤマ幼虫の飼育はとにかく触らないこと、だそうです。
    孵化した幼虫をいきなり大きな容器で飼育されるそうです。
    具体的には
    1本目:初令を1400ボトルで8~12ヶ月間
    2本目:♂は2000ブローもしくは2300ボトル、
        ♀は1400ボトルで8~16ヶ月
    なんと、ずぼらな放置飼育だなぁ・・・と思いますが、
    マットの水分蒸発だけは心遣いを忘れずに・・・。
    2本目の交換で、ケルプスなら15~20g、
    ユダイとアクベなら25g以内のタイミングでの入れ替えが好成績。
    そのあとはひたすら蛹化しないのを祈るだけ。
    ただし、孵化10ヶ月でケルプスで25g以上、
    ユダイとアクベで30gを越える幼虫は早期羽化で良くないと・・・。
    温度は18℃以下で飼育されているようです。

    最近は私もずぼら放置でどうなるか試しています。
    (この方法は1例にすぎません。絶対的とも断言できません)

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