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Allotopus moellenkampi babai Muzunuma,1994
和名:ババオウゴンオニクワガタ
ババオウゴンオニについて
オウゴンオニ属 の中でもっとも綺麗なオウゴン色で、上翅には艶があります。
オウゴン=金ピカ!という事ではありません。例えだと考えましょう。
羽化直後は赤茶色で、本来の艶と黄金色を帯びるには成熟(時間)が必要です。
体色は水分の変化にとても敏感で、水で湿らせたり、湿った環境では
黒褐色に変化します。乾燥した環境だと写真(上)の色になります。
なぜそんな現象が起こるのか、不思議ですね・・・・。
自然界でいったいどんな意味・役割があるのでしょうか?

とてもよく似た同属種として モセリオウゴンオニ がいます。
BE-KUWAなどの専門誌に両者の区別方法の記事があります。
個人的にその内容は絶対的な区別だと思っていません(汗)。
ババとモセリの違いは体色(艶)の相違のみだと考えています。
体系=型の相違はほとんどないと思います。
こちらは⇒  ババとモセリを並べて撮影した写真です。
2種並べてみると、その違いは明らかで、艶・色の深さの違いが
わかります。
ただし、モセリにも艶と色に個体差があります。艶が強いモセリを
手にすると・・・、これババかな?と誤認識も・・・。
本物のババを入手したいと思えば、信頼できるブリーダーまたは
昆虫ショップで購入すべきでしょう・・・。

ブリードの基本事項
はじめに
未後食期間は長い方で、羽化後、約半年ぐらいは活動しません。
また、後食を初めて間もない個体をペアリングさせるのは良くないと
聞いた事があります。意見は人それぞれで、後食して3ヶ月以上、
いや?もっと少し長く成熟させてから、ペアリングさせる飼育者も
居るようです。♂、♀互いに繁殖に適するまでに時間が必要なのは確かです。
寿命は長いほうで大切に飼育すれば10~12ヶ月程は生存しますので
あせらず慎重に丁寧に取り扱う方が賢明だと思います。

ペアリング
♂は温厚な気質なので♀と一緒に飼育しても挟み殺しはめったに無いです。
安心してペアリングできるので、時間をかけて確実に行いましょう。
ただし、♂は性欲が強いため、♀を追いかけ廻すのが一般的です。
精渡しができたと確信できれば隔離したほうが良いでしょう。
長期間だと♀の体力が消耗します。落ち着いて餌を食べれません。

産卵
産卵はレイシ材(砂埋め・殖菌)を用い、幼虫はカワラ菌糸、これが定石です。
産卵材は適度な太さがあり、表皮が硬くても内部は柔らかすぎずないもの、
できれば中央に硬い芯があるものが好ましいと思います。
殖菌材を用いるときは、開封直後の水分が多い状態でなく、1日程は陰干し、
水分を蒸発させた方が賢明です。水分多過は卵腐敗の原因になります。
産卵材は外皮を剥がさず、所々の部分で皮を剥ぎます。♀は気に入った
場所を削って潜り、材の中でいろいろ方向を変えながら産卵をします。⇒ ♀は潜って産卵を始めると、しばらく外に出てません。
まるで、我慢大会のように断食しながら産卵するかのようです。
一説では、卵を守る護衛行動とも思われ、『事前に充分な餌を与えて
おくことが大切』です。あまりにも長期間出てこないのなら、
一旦、割り出して採卵し、♀を養生させてから、時には交尾させて、
再び新しい産卵材を入れたセットを組み直すと、良いと思います。
(あまり増やしたくない場合は、その必要はない)
個体差、♀の状態にもよりますが、よく産卵する♀は3、4回
材に潜らせる事ができます。ただし、1回しか潜らない事もあります。
よく潜って、たくさん産卵しても孵化しないときは、♂♀いずれかに
何らかの原因があるのと思います。
※菌糸が伸びたらカットしましょう。

材の何処に産卵するのか?
産卵は1箇所にまとめてするのではなく、材の所々に産み散らします。
体を旋回させれる位の空間を削り固めてその周囲に産卵します。
殖菌材では♀が削っていない面は黒く変色します。
それは境目を判断する手がかりになります。
急激に狭くなった卵1個分程の狭い空間、そこには・・・・ ⇒ 卵は必ず『削り固めた柔らかい場所と堅い材の境目』に見つかります。
そのため、どちらかと言えば、卵は削りの中心でなく『端に産みつけられる』
傾向が多く、たとえ削り固めた場所が深くても、皮を剥いだ直ぐ裏側、
意外と手前で見つかることがあります。採卵するには注意が必要です。

産卵・採卵・孵化
1匹の♀が産卵する数はそれほど多くありません。
私の場合♀1匹から20匹ぐらいの幼虫を目指すようにしています。
市販の殖菌材は直径10cm前後の太さのもの2本組みが一般的ですが、
その大きさなら、1本で1回の潜り(産卵)が基本です。
(1本、1回の潜りで、最高15個の卵を得た事があります。)
潜りが浅いと、使いまわしも可能ですが、多くても2回が限度です。
時間が経過すると殖菌材の劣化も進みますし・・・。
私の場合、最初に♀が材に潜って数週間で外にでてくると、
しばらくそのまま放置します。産卵直後の卵は腐敗し易いので
卵が適度に成熟した頃に材割して採卵することが多いです。
なかなか出てこない場合は、そのときの状況で判断します。
ただし、餌は切らさないようにしています。
卵は大きく孵化直後になると直径3~4mm程に膨らみます。
採卵したときに、♀が削った材をかきとって卵と保管することは
皆さんよくあると思います。ただし、幼虫が孵化すれば早々に菌糸へ投入
するのが好ましいと考えます。経験上、その環境で幼虫が大きくなること
殆どありません・・・。放置すると加令しての2令初期で落ちたりします。

幼虫飼育~羽化
ど初令から、いきなりカワラ菌糸へ・・・、その方法しか知りません・・・。
F社のカワラは初期落ちが少ないですが、なぜか3令以降大きくならず
小型羽化しています。ご自身の判断で各種銘柄のカワラ菌糸を検討して
みては如何でしょうか?良いものをご存知なら教えてください。
♀は800cc、2本で適度な大きさになります。
♂のサイズを上げるには、適度な時期に交換し、新しい菌糸環境に
スムーズに順応させることが大切です(当たり前ですが)。
♂♀の羽化ズレは少ないので同腹兄弟からの累代は簡単にできると思います。

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